【12月8日 People's Daily】11月22日から24日にかけ、中国浙江省(Zhejiang)烏鎮市(Wuzhen)で「2020年世界インターネット博覧会・インターネットの光」が開かれた。130の企業や研究機関が広さ2万平方メートルの会場に出展し、人工知能(AI)、クラウドコンピューター、ビッグデータ、ブロックチェーン、第5世代移動通信システム(5G)などの分野で最先端のデジタル技術、製品、アプリケーションを展示した。

 大手通信企業の中国移動(China Mobile)は医療廃棄物を回収する「5G医療廃棄物サポート車」などを展示し、浙江省紹興市(Shaoxing)での「廃棄物ゼロシティー」の取り組みを紹介。市内の産業廃棄物、建築廃棄物、家庭ごみなどの情報を共通のプラットフォームで一括管理しており、スタッフの沈源(Shen Yuan)さんは「プラットフォームの運営により、すべてのごみをリサイクルの対象にすることができています」と説明する。

 IT大手の百度(Baidu)のブースでは、眼底スクリーニング機が注目を集めた。特殊カメラで撮影した眼底の画像をもとに、ディープラーニング(深層学習)で緑内障、黄斑変性、糖尿病網膜症などのリスクを診断。わずか数秒で目の疾患を発見することができる。精密機器メーカー・エプソン(EPSON)のAR(拡張現実)スマートグラスは、生産現場から離れた「遠方運用・保守システム」を可能にした。現場から送られた映像情報がAR眼鏡の中でリアルに再現されるため、遠方のスタッフが現場の保守点検、修理の指導をできる。スタッフの王加輝(Wang Jiahui)さんは「新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期、このシステムで海外の専門家に指示を仰ぎ、生産回復に向かうことができました」と説明する。

 電力配送会社の国家電網は、配電ロボットのアームを動かすデモンストレーションをしていた。5G技術や衛星測位システムを活用し、ロボットが電線の配備や通電作業をしており、作業時間の短縮や工事の安全性向上につながっている。IT大手の騰訊(テンセント、Tencent)のブースでは、簡単な手順でオリジナルのシルクスカーフを作るコーナーがあり、顔認証技術で自分がスカーフを試着している画像を見て注文を決めることができる。スカーフのデザインは敦煌(Dunhuang)の有名な壁画をモチーフとしており、収益は敦煌の歴史遺産のデジタル保存のために寄付される。

 来場者は気軽に展示品を体験し楽しみながら、最先端技術が日常に取り入れられ、社会が劇的に発展していることを感じていた。(c)People's Daily/AFPBB News