【12月7日 AFP】インドネシアに6日、中国製薬会社シノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)が開発した新型コロナウイルスのワクチン120万回分が到着した。世界第4位の人口を抱える同国は、同ウイルスの急速な感染拡大阻止に苦慮している。

 ワクチンは同日夜、中国・北京からの航空便で首都ジャカルタに到着。来月さらに180万回分が届けられる予定となっている。

 中国の規制当局は、自国製のどのワクチンについても大規模流通の認可はまだ出していないが、一部の有力なワクチン候補には緊急使用を認めている。

 インドネシアの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策チームの代表を務めるアイルランガ・ハルタルト(Airlangga Hartarto)調整相(経済)は翌7日、第1便で届いたこのワクチンについて、食品・医薬品当局で審査された後、医療従事者や高リスク層に提供する計画だと説明した。

 ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は6日夜、ワクチンの到着を歓迎。その一方で「まず国民の健康と安全、ワクチンの有効性を保証するために、すべての手続きを適切に行わなければならないことを改めて強調しておく」と述べた。

 インドネシア政府は、シノバックのワクチン300万回分の代金として、約6370億ルピア(約47億円)を支払っている。加えて、中国バイオ企業の康希諾生物(CanSino Biologics)のワクチン10万回分も届く予定。

 コロナ流行への初期対応をめぐり、諸外国からの批判にさらされている中国は、これを打ち消すため、自国製のワクチンを「世界的な公益」に生かしていくと明言している。(c)AFP