【12月8日 People’s Daily】瀾滄江とメコン川。それは一つの大河が持つ二つの名前だ。中国青海省(Qinghai)を水源とする上流を中国では瀾滄江と呼び、中流からを東南アジアではメコン川と呼ぶ。11月24日、一つの大河で結ばれた国々のメディア幹部が参加した「2020瀾滄江-メコン川メディアサミット」が北京市の人民日報新メディアビルで開かれた。中国、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム6か国のメディア代表が「共にコロナ禍に立ち向かい、経済を振興する」をテーマに討論と交流を重ねた。

「瀾滄江-メコン川流域諸国の協力は、地域の経済成長を引っ張り、市民の生活水準を向上させている」。ミャンマーのペー・ミン情報相はビデオメッセージでそう語り、流域諸国は地理的にも文化的にも一種の運命共同体にあると指摘。各国が相互理解と信頼を高めるため、メディアの役割が重要だと強調した。

 人民日報(People's Daily)の庹震(Tuo Zhen)社長は「新型コロナウイルスが世界的に流行している中、メディアは感染予防や経済の回復、持続可能な発展のため独自の役割を果たすことができる。一つの大河でつながっている国々のメディアが協力し、ウィンウィンの関係を目指していこう」と呼びかけた。中国外交部の羅照輝(Luo Zhaohui)副部長も「瀾滄江-メコン川流域に経済ベルト地帯を構築し、運命共同体として共に発展していこう」と訴えた。

 タイのタイ-中国ジャーナリスト協会前会長のチャワット氏は「中国の経済圏構想『一帯一路(Belt and Road)』の推進、瀾滄江の水利情報の共有、公共衛生協力の推進など、流域諸国の協力は経済の活性化や住民の福祉・健康に大いに役立っている」と話した。

 瀾滄江-メコン川流域の協力メカニズムは今年に入り、急速に進んでいる。ラオスの首都ビエンチャンと中国を結ぶ鉄道はすべてのトンネルが貫通し全面開通に近づき、カンボジアの首都プノンペンとシアヌークビル港を結ぶ高速道路プロジェクトが再開した。瀾滄江-メコン川流域協力は、各国の経済を活性化させる「力水」を与えている。

 ミャンマー国営放送局のイェ・ナイ局長は「わが国は瀾滄江-メコン川協力特別基金から農業、教育、情報技術など22のプロジェクトで支援を受けており、経済の向上や国民の生活改善のため強いサポートとなっている」と述べた。カンボジアのニュースメディア代表のスイ・ソピ氏は「流域諸国の協力をさらに強化し、各国のメディアがコロナ禍を克服するための共通認識を築いていきたい」と語った。

 人民日報の方江山(Fang Jiangshan)副総編集長は「コロナ禍の克服と経済回復のため、瀾滄江-メコン川流域のメディアが共に情報発信を強化し、ウィンウィンな関係を築いていこう」と呼びかけ、サミットを締めくくった。(c)People's Daily/AFPBB News