【12月8日 Xinhua News】中国の少数民族、満族(満州族)の伝統工芸「満族刺繍(ししゅう)」は、先祖から受け継いだ手工芸だが、年月の経過により伝承が途絶えかけていた。ところが近年、人形に着せる衣装として愛好家の間で人気が高まっているという。遼寧省(Liaoning)撫順市(Fushun)新賓満族自治県でも地元の裁縫職人らが、今はやりの「球体関節人形(BJD)」と呼ばれる人形の衣装作りを始めている。地元では、伝統手工芸を学ぶ人が増えただけでなく、人々を豊かにする新たなけん引要素となっている。

 BJDはここ数年、世界で人気が高まっている。造形がリアルで自在なポーズを取らせることができ、若者の間、特にアニメ・漫画愛好家にファンが多い。今回のブームにより、新賓満族刺繍という地域の無形文化遺産も断絶を免れた。

 制作工程が複雑で、デザインも手が込んでいることから、シンプルなデザインであっても実際の服の3分の1サイズで1800元(1元=約16円)以上、複雑なデザインであれば6分の1サイズで1万元前後する。デザインや制作のコストを差し引いても職人は十分な収入を得られるという。(c)Xinhua News/AFPBB News