【12月7日 AFP】スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が7日公表した報告書で、2019年の世界の兵器販売額のランキングで米中企業が上位を占め、トップ25に中東地域の企業が初めてランクインしたことが明らかになった。

 SIPRIによれば、2019年の世界の兵器企業上位25位までの売上高のうち、米企業が61%、次いで中国企業が15.7%を占めた。

「トップ25」による合計の年間売上高は前年比8.5%増の3610億ドル(約37兆6000億円)だった。これは国連(UN)による平和維持活動(PKO)の年間予算の50倍に相当する。

 トップ10には米国から6社、中国から3社、そして英国から7位にBAEシステムズ(BAE Systems)がランクインした。

 上位5社には米国のロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、ボーイング(Boeing)、ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)、レイセオン(Raytheon)、ゼネラル・ダイナミクス(General Dynamics)が、6位、8位、9位には中国の中国航空工業集団(AVIC)、中国電子科技集団(CETC)、中国兵器工業集団(Norinco)がランキング入り。米L3ハリス・テクノロジーズ(L3Harris Technologies)は10位だった。

 米国は数十年にわたり、兵器市場で優位を占めていた。

 2019年に企業の兵器売上高が5%近く上昇した中国について、SIPRIで兵器と軍事支出を専門とするルーシー・ベローシュドロー(Lucie Beraud-Sudreau)氏は、「この上昇は、2015年以降の中国人民解放軍(PLA)の近代化に向けた改革の実施と符合している」と指摘。

 同氏は、「欧州は少し分散している」とする一方で、「欧州企業を合わせれば、(米中企業と)同等の規模になる」とAFPに話した。

 22位には、25の防衛企業が合併してできたアラブ首長国連邦(UAE)のEDGEが躍り出た。中東からの「トップ25」ランクインは初となる。

 SIPRIの研究者、ピーター・ウェゼマン(Pieter Wezeman)氏は報告書で、EDGEは「軍事的な製品・サービスに対する大きな国内需要と、外国企業への依存を減らしたいという希望が組み合わさって中東地域の兵器生産企業の成長が促されるのを示す好例だ」と説明した。 (c)AFP