【12月7日 Xinhua News】中国の次世代制御可能核融合研究装置「中国還流器2号M(HL-2M)」が4日、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で完成し、初の放電に成功した。核融合の研究分野で中国が世界のトップクラスに躍り出たことを示す。

 核融合のエネルギー発生原理は太陽が発光、発熱する原理と似ており、地球上でのクリーンエネルギー模索を目的とする制御可能核融合研究装置は「人工太陽」とも呼ばれる。

 制御可能核融合には超高温・超高密度などの条件が必要なため、先進的なトカマク装置が多く採用される。HL-2Mは中国国内最大級で、最も高い指標を持つ先進的なトカマク装置であり、将来的な核融合炉の独自設計・建設の実現に向けた基礎固めになる。

 このプロジェクトは中国国有原子力発電大手、中国核工業集団傘下の核工業西南物理研究院が独自に設計し建設した。HL-2Mの建設を進める中で、同研究院は国内の複数の研究機関と協力して、装置の物理・構造設計や特殊材料の開発、材料接合技術やコア部品の開発、最終組み立てなどで、さまざまな飛躍を成し遂げた。

 中国は2006年に、核融合研究プロジェクト「国際熱核融合実験炉(ITER、イーター)」計画に参加。フランスや日本、米国、英国などの科学者らと長年にわたり成都で共同研究を進め、「中国・フランス共同実験週間」を設けるなど、世界的な研究の進展を図っている。(c)Xinhua News/AFPBB News