【12月7日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)が6日、米誌スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)が選ぶ年間最優秀選手5人に選出された。今年の同賞は「活動家のアスリート」と称され、競技外の活動が評価された。

 受賞したのは大坂の他、米プロバスケットボール(NBA)のレブロン・ジェームズ(LeBron James)、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)とローレント・デュバネイターディフ(Laurent Duvernay-Tardif)、米女子プロバスケットボール(WNBA)のブレアナ・スチュワート(Breanna Stewart)の5選手。

 同誌は「フィールド上のチャンピオンであり、フィールド外のチャンピオン。あらゆる意味で2020年にチャンピオンだった」5人だとしている。

 大坂は今年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)で3度目の四大大会(グランドスラム)優勝を達成。黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察官に殺害された事件以来、人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」に参加し、全米オープン期間中は、警察の暴力の犠牲になった米国黒人の名前入りマスクを毎試合着用した。

 ジェームズはロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)をNBA制覇に導き、キャリア通算4度目の栄冠を果たした。ジェームズは警察の暴力や人種差別に声を上げたほか、選挙登録を促す団体「More Than A Vote」を設立した。

 ジェームズが選出されるのは2012年、2016年に続き3度目で、男子ゴルフのタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)を抜いて最多の受賞回数となった。

 マホームズはカンザスシティ・チーフス(Kansas City Chiefs)のスーパーボウル(Super Bowl LIV)優勝に貢献し、最優秀選手(MVP)に選ばれた。また、NFLにBLM運動を認めるよう働きかけ、選手が抗議活動を行う権利を支持した。

 デュバネイターディフは、チーフスの先発オフェンシブガード(OG)である一方で医師免許を持つ。新型コロナウイルスの感染拡大が襲った今シーズンは欠場し、人の命のため最前線で闘うことを選んだ。

 スチュワートは隔離環境で行われた今季のWNBAで終始BLM運動を支持。アキレス腱(けん)のけがから復帰した中で、シアトル・ストーム(Seattle Storm)の優勝に貢献し、ファイナルMVPに輝いた。(c)AFP