【12月6日 AFP】月面で採取した土壌を積んだ中国の無人探査機「嫦娥5号(Chang’e-5)」は6日、軌道機・帰還機へのドッキングに成功した。中国の宇宙船が月周回軌道でドッキングするのは初めて。国営メディアが報じた。

 嫦娥5号は中国神話の月の女神にちなんで命名され、月の土壌を地球に持ち帰ることに成功すれば世界で約40年ぶりとなる。

 国営新華社(Xinhua)通信は中国国家航天局(CNSA)の発表を引用し、月の石や土を積んだ同探査機が3日に月面を離陸し、6日朝に軌道機・帰還機にドッキングしたと報道。月周回軌道でのランデブー飛行やドッキングのほか、月面および地球外天体から中国の宇宙船が離陸するのも初めてのことだった。

 探査機は、月面で採取した試料の貯蔵容器を帰還機に移転。新華社によると、この帰還機は軌道船と分離して地球へと戻る。

 中国は数十年かけて宇宙に関する米国とロシアの功績に追いつことを目指しており、軍主導の宇宙計画に巨額の資金をつぎ込んできた。

 CNSAは「(嫦娥5号の)離陸前、中国国旗が月面に掲げられた」と発表している。

 研究者らは、サンプルから月の起源や形成、月面の火山活動に関する新たな知識が得られるものと期待している。サンプルを持ち帰ることに成功すれば、1960年~1970年代の米国と旧ソ連に続き、中国は世界で3番目に月の土壌サンプルを地球に持ち帰る国となる。(c)AFP