【12月6日 AFP】陸上女子5000メートルの世界記録保持者であるエチオピアのレテセンベト・ギデイ(Letesenbet Gidey)が、故郷のティグレ(Tigray)州で起こっている紛争が原因で、スペイン・バレンシア(Valencia)でのハーフマラソンに出場できないことが分かった。

 ギデイは10月のNNバレンシア・ワールドレコードデー(NN Valencia World Record Day)で、ペースを知らせる誘導灯を内周に設置した特設レースで5000メートルを走り、14分6秒62の世界新記録を樹立した。

 しかし、東京五輪の選考会を兼ねる6日のバレンシアマラソン(Valencia Marathon 2020)とハーフマラソン(Valencia Half Marathon 2020)のコーディネーターによると、ギデイはティグレの「紛争の泥沼化により、現地を離れることができない」という。

 国連(UN)は4日、州内の「多くの場所」で戦闘が続いており、政府の監督下で国連関係者が現地入りする許可は得たものの、人道支援が難航していることを明かしている。シンクタンク「国際危機グループ(International Crisis GroupICG)」によれば、紛争の犠牲者は数千人に及び、数万人が難民となって隣国スーダンに流入しているという。(c)AFP