【12月6日 AFP】ロシアの首都モスクワで5日、市内各地に新設された医療施設で、新型コロナウイルスへの感染リスクが高い労働者を対象としたワクチン接種が開始された。

 保健当局によると、モスクワにはワクチン接種センターが新たに70か所開設され、まず医療従事者や教師、ソーシャルワーカーらに接種される。

 ロシアは今年8月、新型コロナウイルスワクチンを世界で初めて承認。ワクチンは、旧ソ連が打ち上げた人工衛星にちなんで「スプートニクV(Sputnik V)」と名付けられた。

 だが最終段階である第3相臨床試験(治験)は現在も継続中で、ボランティア約4万人が参加している。

 スプートニクVの開発者は先月、治験データの暫定分析で95%の有効性が示されたと発表。このワクチンはすべてのロシア国民に無料で提供され、接種は任意となる。

 保健当局は5日、モスクワで行われる最初のワクチン接種では60歳を超える労働者や持病がある人、妊婦、授乳中の女性が対象外となると述べた。国民に広く普及するのがいつになるかは明らかにしていない。

 新型コロナウイルスの感染者数が世界で4番目に多いロシアでは、1日当たりの新規感染者数が過去最多を記録したばかり。保健当局は5日、2万8782人の新規感染者が確認され、同国の累計感染者数が243万1731人に上ったと発表した。(c)AFP