【12月6日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、94)が、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種を数週間以内に受ける方針だと、英メディアが5日夜報じた。同ワクチンは英規制当局が緊急使用を承認し、来週には世界初となる接種が開始される。

 英大衆日曜紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)によると、エリザベス女王と夫のフィリップ殿下(Prince Philip, Duke of Edinburgh、99)は、高齢であることからワクチンを優先的に接種されるもので、特別な優遇措置を受けることはないという。

 同紙は、「より多くの人にワクチン接種を奨励するため」、女王と殿下は接種を受けたことを公表するだろうと報じている。ワクチン接種をめぐっては、いわゆるワクチン反対派らによって国民の接種意欲が低下し得ると懸念されている。

 英国は2日、ファイザーとビオンテックが開発したワクチンの緊急使用を承認。保健当局は、接種の優先順位を年齢や体の弱さを基準に判断するとしている。

 最初に接種を受けるのは老人ホームの入居者や職員で、続いて80歳を超える高齢者、最前線で働く医療従事者、介護職員らが続く。その後、他の高齢者や臨床的にかなり脆弱(ぜいじゃく)な人々に接種され、それ以降は年齢で優先順位が決まる。

 女王のワクチン接種について英王室にコメントを求めたが、回答は得られていない。

 大衆朝刊紙デーリー・ミラー(Daily Mirror)は、ワクチン接種率を上げるため、接種を受ける意向を表明する英国の著名人が相次いでいると報じている。(c)AFP