【12月7日 Xinhua News】中国上海市から緊急事態下の湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)に派遣された医師の日記「査医生援鄂日記」(日本語版タイトル「武漢支援日記」)がこのほど、岩波書店から刊行された。

 出版に先立ち、原著の出版元である上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)出版社は、テレビ会議で岩波書店と協議して版権輸出契約を締結し、日本語版の出版を正式に許諾した。

 同書の刊行により、さらに多くの日本の専門家や一般の人々が、新型コロナウイルス感染症に立ち向かった中国の経験と精神を知ることになる。

「査医生援鄂日記」は上海交通大学医学院付属仁済医院の呼吸科医師で湖北省支援医療チーム第1陣のメンバーだった査瓊芳(Zha Qiongfang)氏が執筆し、同医院が監修した。収録された67篇の日記は、ウイルスとの闘いの最前線に立つ医師の視点から、チームの68日間にわたる忘れがたい経験を余すところなく記録している。

 同書については11月30日までに英語やベトナム語、タイ語、ヒンディー語など9言語版の版権輸出が決まっている。

 日本語版の刊行に際し、査氏は「ウイルスに国境はなく、世界中の人々が団結し、人類衛生健康共同体を構築することによってこそ、最終的な勝利を収められる」と語った。

 岩波書店で編集長を務めた馬場公彦氏は長編の書評「中国は新型肺炎とどう闘ったのか?」を記し、さらに日本電子出版協会のフォーラムで本書の企画と出版について紹介した。

 中国社会科学院近代史研究所の羽根次郎研究員は、同書では感情をあおることなく、医療従事者の飾らない言葉がつづられており、読者の心をより強く打つと指摘。中国が新型コロナ感染症に対し、国情にかなった対応策を見つけたことは、日本にとって参考にする価値があると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News