【12月5日 AFP】ギリシャのキリアコス・ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は4日、妻を含めて数人とバイクで山に登っていたことが明らかになったのを受け、ロックダウン(都市封鎖)違反ではないかと批判を受けた。

 先週末、明らかになった動画と画像には、首都アテネから約45キロの位置にあるパルニタ山(Mount Parnitha)にいるミツォタキス氏と妻、モトクロス仲間が捉えられている。ミツォタキス氏がさらに非難を浴びたのは、一緒にいる男性5人の誰一人としてマスクをしていないためだ。

 ギリシャ政府はロックダウンを11月7日に施行し(現在12月14日まで延長)、不要不急の用事で外出した場合、300ユーロ(約3万8000円)以上の罰金が科される。屋外ではマスク着用も義務付けられているが、こうした規制はミツォタキス氏自身が発表。同氏は、「外出はやむを得ない場合に限る」とも追加要請していた。

 政府のステリオス・ペタス(Stelios Petsas)報道官は4日、AFPの取材に文書で回答し、今回のロックダウンでは「運動や散歩は、広い場所では許可されている」と主張した。

 政府が抗議運動を制限し、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)に違反しているという理由でデモ参加者の身柄を拘束する中で、野党は首相の傲慢(ごうまん)さを非難。

 主要野党の急進左派連合(SYRIZA)党首で前首相のアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)氏は議会で、革命で倒されたフランス王室を引き合いに出し、「まるでベルサイユ(Versailles)のような政権だ」と述べ、「ルイ(16世、Louis XVI)とマリー・アントワネット(Marie Antoinette)が大勢いる」と政権を批判した。

 ミツォタキス氏の行動を受け、フェイスブック(Facebook)グループが開設され、5日には4000人近い参加者がパルニタ山にサイクリングに行く計画を立てている。(c)AFP