【12月5日 AFP】世界保健機関(WHO)は4日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が始まっても、それだけでウイルスがなくなるわけではないと警告した。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏はオンライン記者会見で「ワクチンでCOVIDがゼロになるわけではない」と指摘。「ワクチンとその接種により、われわれが持ち合わせる手段一式に、非常に大きく強力な手段が加わる。だがそれだけでは十分ではない」と警鐘を鳴らした。

 英国は2日、欧米諸国で初めて新型コロナウイルスワクチンの一般使用を認可。ほかの国々も迅速に追随するようにとの圧力が高まった。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はワクチン開発の進展について「皆の士気を高めるものであり、トンネルの先にある光が見え始めた」とした一方で「WHOは、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が終わったとの見方が広がっていることを懸念している」と表明。「多くの場所でウイルス感染が非常に大きく拡大しており、病院や集中治療室(ICU)、医療従事者らが非常に大きな重圧を受けている」と指摘した。(c)AFP/Robin MILLARD