【12月4日 People’s Daily】ロボットがスポーツのコーチをするというのは、どんな体験なのか?上海体育学院(Shanghai University of Sport)卓球学部の体育館では、卓球ロボットが出現し、ロボットアームを振るって学生たちのサーブの練習相手をしている。落下点は正確でばらつきがあり、卓球台に向かったチーム全員が全力で集中し練習に励んでいた。これこそ、独立知的財産権を持つ、量産されている卓球ロボット・パンボット(Pangbot)である。

 人と卓球台で対戦できるロボットは、第3回輸入博覧会でオムロン(OMRON)も披露した。パンボットやオムロンなどのロボットは、高速カメラを通じてポーズと動作を補足し、AIを通じてモーションなどを計算し、卓球の可能性を大いに広げた。

 体育とAIの2分野の「ぶつけあい」については、囲碁界における有名な人とロボットの闘いのことを避けては語れない。2016年と2017年にはAI「アルファ碁(AlphaGo)」が李世ドル(イ・セドル、Lee Se-Dol)氏および柯潔(Ke Jie)氏二人の最高の棋士に勝ち、棋士や囲碁ファンを驚愕(きょうがく)させた。AI技術を囲碁分野に深く応用した結果、AIは棋士にとって手ごわい相手へと成長した。今年4月、中国囲碁連盟は騰訊(テンセント、Tencent)のAI実験室が開発したAI囲碁「絶芸(Fine Art)」との契約を3年継続することを表明した。布石の研究から対局まで、試合前の準備から試合後のリプレイまで、棋士たちはAIから成長するための養分をくむと同時に、AI囲碁の学習力を高めることの一助となる。

「アルファ碁」の登場から長い間、AI囲碁ソフトは大企業の科研プロジェクトとなっていた。しかし今、AIは普通の囲碁ファンにとっても簡単にアクセスできるツールになり、すでに市販されている各種対戦ソフトにはオープンソースのものも少なくなく、誰でもダウンロードでき、中には技術通の囲碁ファンが自分で手を加えたソフトもある。
 
 囲碁教育業界の教師不足をめぐる問題も、AIの力を借りてある程度解決できた。この2年間で出現した「AI学習課程システム」は、青少年の囲碁を学ぶことへの興味を刺激し、比較的に短期間で囲碁の実力を伸ばす。対戦や学習、教育、研究、解説など、囲碁のサイクルの全段階でAIの影響が見られ、AIは「人類の潜在能力を奮い起こす」ツールとなった。

 現在、スポーツ分野でAIロボットが登場したのは新しいことではなく、少なからぬ人がそれと対戦する経験がある。8月の広西体育祭では、多くのバドミントン愛好者がAIロボットとの対戦に応募した。

 AIは他の分野でもプロスポーツ業界に新しい可能性を付与しつつある。例えば、裁判に補助を提供する、「代替記者」がスポーツニュースを記述する、試合を観戦するファンに座席を探す補助を行う、などである。

 未来のスポーツ分野では、AI技術はより多くの方面で応用されているであろう。科学技術の発展を積極的に取り込み、AIをよりよくスポーツに活用し、スポーツと科学技術はいっそう知恵の火花を散らすであろう。(c)People's Daily/AFPBB News