【12月5日 People’s Daily】中国国家統計局がこのほど発表したデータによれば、10月の外食産業の売上高は4372億元(約6億9700万円)で、前年同月比0.8%増となった。増加率がプラスになったのは今年初めて。

 外食産業は経済回復のバロメーターだ。「外食産業の売り上げ増加率がマイナスからプラスに転じたのは、外食支出が徐々に回復していることを示している。防疫活動が常態化するなかで、各種の防疫対策が効果を挙げ、中央や地方の消費対策が消費を促し、これが外食の増加をもたらしているのだ。就業情勢も改善し、収入も増加、人々の金回りもよくなってきた」と語るのは中国飯店協会の韓明(Han Ming)会長だ。

 新型コロナウイルス感染症の流行で今年1~4月、外食産業の売り上げは41%減少した。中国料理協会によれば、外食産業は5月以降、業務再開を着実に進め、売り上げの減少幅は狭まっていった。全国の大部分の外食企業の売り上げは今年上半期、新型コロナ流行以前の70~80%まで回復していた。

「年初に流行し始めたとき、企業の売り上げは60%以上減少した」と語るのは北京壱捌壱餐飲管理有限公司の郭建平(Guo Jianping)社長アシスタント。「防疫対策をしっかりとし、店内は毎日、何度も消毒した。食品は毎日、新鮮なものを使った。その結果、各店舗の売り上げが徐々に回復したばかりか、11月15日までに新たに4店舗を設けた」という。

 韓会長は「外食産業が今後、長期にわたって成長するという見通しに変わりはない。外食産業は環境や健康、安全を重視していくことになる」と述べた。

 外食産業の回復は中国経済回復の1つの縮図にすぎない。中国の工業、サービス業は10月、比較的大きく伸びた。全国の一定規模以上の工業企業の付加価値額は前年同月比6.9%増で、9月と同じ水準だったが、前年同月より2.2ポイント上がった。全国サービス業の生産指数は前年同月比7.4%増で、前月より2ポイント上がった。伸び率は明らかに高くなっている。

 多くの指標から、中国の経済成長の勢いが一段と確かなものになっていることが分かる。中国経済には粘り強さがあり、回復力、発展への潜在力がある。今年の所期の目標を達成する基礎も条件も備えている。(c)People's Daily/AFPBB News