【12月4日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の今季第16戦サキールGP(Sakhir Grand Prix 2020)で、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)の代役を務めることになったジョージ・ラッセル(George Russell)は、普段より小さいレーシングシューズで本番に挑むことになる。

 英国出身で22歳のラッセルは、通算7度の年間優勝を誇る同胞のハミルトンより身長が約10センチ高く、レーシングシューズも同選手のサイズの9(27.5センチ)よりひとまわり大きい10(28.5センチ)を使用している。

 しかし、ハミルトンが先月30日に新型コロナウイルス陽性が判明してサキールGPを欠場することになり、その代役に指名されたラッセルはつま先をすぼめてコクピットに乗り込むことになった。

 ラッセルは3日、レースを控えたオンライン会見でメルセデスと「シート合わせ」をしたときの様子について、「すごく窮屈だったのは確か」と明かすと、「自分用の11フィート(約3.3メートル)ではシートが合わなくて、理想的なサイズより小さいシューズを履いているんだ」「だから少し居心地は悪いけれど、この機会を得るために痛みは我慢してみせる」と語った。

 メルセデスのアカデミーを卒業したラッセルは、不振にあえぐウィリアムズ(Williams)での2年目が終わりに近づく中で、これまでF1では1ポイントも稼いでおらず、予選でもQ3まで進んだことは一度もない。

 レース当日の担当エンジニアであるピーター・ボニントン(Pete 'Bono' Bonnington)氏からサイズの問題についてからかわれたことも明かしたラッセルは、レースでの具体的な目標は定めておらず、重圧もまったくないという。

「目標や期待は何もない。なぜなら、1レースの結果だけで誰かを判断することはできないからだ。今週末、特に金曜日(4日)は学ぶことに集中する」「(最終戦の)アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2020)でもう一度チャンスがあるかなんて、誰にも分からないだろう? その方が気が楽だ」

 ラッセルはメルセデスのトト・ヴォルフ(Toto Wolff)チーム代表から午前2時に連絡がきたときのことについても明かし、「トトから電話がきたときは浴室にいたんだ」「ちょっと落ち着かなかった」「自分は『了解、OK』という感じで返事した後、少し眠れない夜を過ごした。それで翌日に事が運んだ」と語った。(c)AFP