【12月4日 AFP】国際自動車連盟(FIA)は3日、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の今季第15戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2020)で、ハース(Haas F1 Team)のロマン・グロージャン(Romain Grosjean)が遭遇した大クラッシュについての調査開始を発表した。この調査が完了するのは「約6~8週間」の見通しであるという。

 先月29日に行われたレースの1周目に、フランス人ドライバーのグロージャンはアルファタウリ(AlphaTauri)のダニール・クビアト(Daniil Kvyat)と接触してマシンが炎上したが、どうにか無事に脱出してけがも手のやけどだけで済み、今月2日には搬送先の病院を退院した。

 この衝撃的なクラッシュの直後にはF1における最新安全装置に各方面から称賛の声が上がった一方で、F1のマネジング・ディレクターを務めるロス・ブラウン(Ross Brawn)氏が指摘した「予想外」の不具合に対する懸念も浮上した。

「2020年バーレーンGPにおけるロマン・グロージャンの事故の徹底調査を開始した」と発表したFIAのセーフディレクターを務めるアダム・ベイカー(Adam Baker)氏は、「F1には多くのデータが蓄積されているため、起きたことに関するあらゆる要素を的確に把握することができるだろう。そして、この作業はすでに開始されている」「われわれはこの調査を非常に深刻に受けて止めており、厳密なプロセスに従って何が起きたのか正確に突き止めてから、可能な改善点を提示していく」と述べた。

 FIAの調査では、グロージャンのヘルメットをはじめ、安全ベルト、ヘッドレスト、車内消火システム、そしてコックピットを囲む頭部保護装置「Halo」に至るまで、綿密に分析されることになっている。(c)AFP