【12月4日 AFP】米製薬大手モデルナ(Moderna)が開発し、最近94%の有効性が確認された新型コロナウイルスワクチンについて、接種により少なくとも3か月間残存する強力な抗体がつくられることが分かったとする論文が3日、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。

 ワクチンを共同開発した米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の研究チームは、治験の第1相試験に参加した年齢層の異なる成人34人の免疫反応を調査。結果、新型ウイルスのヒト細胞侵入を防ぐ抗体は「予想通り、時間の経過とともにわずかに減少したが、ワクチンの追加接種後3か月間、全ての参加者で高い水準を保ち続けた」という。

「mRNA-1273」と呼ばれる同社のワクチンは2回の接種が必要で、2回目は最初の接種から28日後に行われる。

 抗体の量は次第に減っていくが、必ずしも懸念すべきものではない。NIAIDのアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長をはじめ専門家らは、免疫系が一度感染したウイルスを記憶し、同じウイルスに再びさらされた際には新たな抗体を生成する可能性が非常に高いと述べている。

 今回の論文では、この「免疫記憶」の促進が期待できる特定の種類の免疫細胞がワクチン接種により活性化するという有望な結果が示されたが、実際に免疫記憶が促進されるかを確認するにはより長期的な研究が必要になる。(c)AFP