【12月3日 AFP】タイ保健省は2日、ミャンマー・タチレク(Tachilek)にあるカジノ併設ホテルで働き、タイに帰国した女性6人が新型コロナウイルス検査で陽性と確認されたと発表した。前日にも、このホテルから正式な手続きを経ずに帰国したタイ人女性4人に感染が確認されていた。

 タイは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を抑え込んでおり、累計感染者数は約4000人にとどまっている。

 タイからタチレクへ国境を越えるのは簡単で、ミャンマーではここ数か月、ほぼ毎日1日当たりの新規感染者数が1000人を超えている。

 地元メディアによると、感染が確認されたタイ人女性10人は全員、国境から約1.5キロ離れた1G1ホテル(1G1 Hotel)で働いていた。「エンターテインメント場」と呼ばれるこのホテルは、カジノ、VIPルーム、ディスコ、マッサージパーラー、カラオケバーを備えている。約70~100人のタイ人女性が、カラオケバーとVIPルームで男性客をもてなすために雇われているという。

 ホテルの従業員はAFPに対し、総支配人はミャンマーの新型コロナ対策関連法に違反してホテルを営業した疑いで警察に拘束されていると話した。

 新型コロナ流行後、タイは違法越境を防ぐために国境警備を強化している。

 タチレクは、「黄金の三角地帯」と呼ばれるタイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯における麻薬取引の秘密ルートとなっているとのうわさがあり、多数のカジノや売春宿がある。

 ミャンマー政府の最新の統計によると、国内の新型コロナ感染者数は累計9万人以上で、死者は2000人以下となっている。ラカイン(Rakhine)州の一部と商業の中心地ヤンゴンにロックダウン(都市封鎖)が導入されている。(c)AFP