【12月3日 AFP】(更新、写真追加)1974年から1981年まで仏大統領を務めたバレリー・ジスカールデスタン(Valery Giscard d'Estaing)氏が2日夜、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死去した。94歳。家族が明らかにした。

 側近によると、ジスカールデスタン氏はロワール(Loire)地方にある自宅で、「家族に囲まれて」息を引き取った。

 家族はAFPに対し、「彼の健康状態は悪化していたが、新型コロナウイルス感染症が原因で死去した」と明らかにした。故人の遺志により、葬儀は親族ら近しい人のみで執り行うという。

 ジスカールデスタン氏はこの数か月、心臓疾患で複数回入院していた。最近は公の場に姿を見せる機会が少なくなったが、昨年9月30日、自身の政権で首相を務めたジャック・シラク(Jacques Chirac)元大統領の葬儀には参列していた。

 ジルカールデスタン氏は1974年、48歳の若さで大統領に就任。後に先進7か国(G7)首脳会議(サミット)に発展する裕福な国々の指導者による会議を提唱し、1975年に初開催した。

 国内では、人工妊娠中絶の合法化や離婚の自由化、選挙権年齢の18歳への引き下げなど、抜本的な改革を行ったことで知られている。(c)AFP