【12月3日 AFP】米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)が、日本国内における人種差別やいじめに焦点を当てた広告を公開した。動画はソーシャルメディア上で大きな反響を呼び、同社製品の不買を呼び掛ける声も上がっている。

 ナイキは、日本人の母とハイチ人の父を持つテニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)選手のスポンサーでもある。この2分間の広告が先月30日に公開されると、ツイッター(Twitter)での閲覧回数は1400万回を上回った。

 日本語で制作されたこの動画は「動かしつづける。自分を。未来を。」と題され、日本人ではない、または片親が外国人の少女3人が学校でいじめを受けながらも、サッカーを通して自信をつけていくというストーリー。

 2日までにナイキジャパン(Nike Japan)のユーチューブ(YouTube)チャンネルでは「いいね」が5万を超えた一方で、3万人以上のユーザーが低評価をつけ、その多くが同社を「反日的」だと非難している。

 動画では、朝鮮の伝統衣装を着た少女が行き違うビジネスマンに無遠慮な目を向けられたり、黒人の父を持つ少女が同級生に囲まれ、髪の毛を触られたりする場面などがある。

 AFPはナイキジャパンに取材を申し入れたが、これまでに回答はない。しかし広告に添えられた発表には、ありのままの自分を受け入れられないことに悩むスポーツ選手の体験に基づいており、差別やいじめを受ける10代の少女3人に焦点を当てたと書かれている。

 また同社のシニアマーケティングディレクターのバーバラ・ギネ(Barbara Guinet)氏は「ナイキは長い間、少数派の声に耳を傾け、支え、ナイキの価値観にかなう大義のために意見を述べてきた」と記している。(c)AFP