【12月4日 CNS】中国の医薬品産業が急激な勢いで伸びている。2020年の医薬市場規模は1.75兆元(約27兆7000万円)に達する見込みだが、その一方で産業界の課題も浮かび上がっている。

 統計によると、中国の医薬品市場は2014年から2018年にかけて年率8.1%の成長を遂げ、1.1兆元(約17兆4000億円)から1.5兆元(約23兆7000億円)に成長。2020年には1.75兆元に達するとされている。

 医薬産業の発展は中国政府のハイテク産業育成策「中国製造2025」に入っており、中国の製薬会社は近年、研究開発と研究者に巨額資金を投じている。医薬品関連の規制を国際水準に合わせ、海外から帰国した若手研究者も精力的に活動している。特にバイオ製薬業界の勢いはめざましく、最先端のイノベーションを起こそうとしている。

 一方で、多くのバイオ製薬企業が、がん治療に取り組むなど、研究・開発分野の重複が目立ち、人材や投資が有効に生かされていない問題が頻繁に発生している。知的財産権の保護など製薬イノベーションの環境を改善し、企業の活力を刺激する必要もある。

 欧州や日本と比較して、中国の製薬技術はまだ遅れているのが現状だ。国際基準を満たす臨床試験施設をさらに増やすことや、基礎科学を治療に応用・発展させていくイノベーション態勢の構築、知的財産権の保護など多くの課題を抱えている。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News