【12月2日 AFP】心臓発作で先日死去したサッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏が、「神の手」ゴールを含む衝撃的な2ゴールを決めた1986年のW杯(World Cup)の試合で着用していたユニホームについて、試合後に同氏とユニホームを交換した元イングランド代表のスティーブ・ホッジ(Steve Hodge)氏が、記念のユニホームは売りに出さないと明言した。

 マラドーナ氏はW杯メキシコ大会準々決勝のイングランド戦で、ボールを手でゴールに押し込む「神の手」ゴールと自陣からのドリブルで見事なゴールを決め、チームを2-1の勝利に導いた。

 ホッジ氏が試合後にマラドーナ氏と交換したユニホームは、現在は英マンチェスター(Manchester)の国立サッカー博物館(National Football Museum)に展示されているが、ホッジ氏が高額で売却することを考えているとのうわさが浮上している。

 これに対してホッジ氏は英BBCで、最近はユニホームに関する問い合わせが殺到しているが、売るつもりはないとうわさを打ち消した。

「自分は34年間あれを保持しているし、売ろうとしたことは一度もない」「気に入っているんだ。気持ちの面で、あのユニホームには信じられない価値がある」

「ひっきりなしに問い合わせが来るし、ありとあらゆるテレビ局やラジオ局、さらには海外の放送局からの電話も鳴りやまない」

「残念だし、気持ちの良い状況でもない。私があれを数百万ポンドで売ろうとしているというネット記事を読んだし、非難の声も飛び交っている」「失礼な話だし、完全なデマだ。ユニホームは売りに出していない。売るつもりもない」

 ホッジ氏は、サッカー史上最高の選手の一人であるマラドーナ氏の「天才ぶり」に敬意を表している。

「あのハンドで彼を責めたことはない。一度もだ」「ルール違反だが、サッカーをやっている人間ならたまに狙うプレーだと分かっている」「世界の津々浦々で彼は尊敬され、天才ぶりを称賛されている。あの試合はサッカー史に永遠に刻まれる一戦になるだろう」 (c)AFP