【12月2日 Xinhua News】空が明るみ始めた頃、農場経営者の孫鳳嵐(Sun Fenglan)さん(50)は、畑から取って来たばかりの泥付きダイコンやホウレンソウ、トウガラシを慌ただしく車に積み、農場から約20キロ離れた中国安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)の中心部で月1回開かれるファーマーズマーケットに向かおうとしていた。

 市内のショッピングモール1階にあるこの特別な市場には、省内各地から環境保全型農業(エコ農業)を営む数十の出店者が集まる。

「新農民ファーマーズマーケット」と呼ばれる市場が開かれるようになって5年近く。市場はエコ農業に従事する農家と安全な農産物を求める消費者を結ぶ懸け橋となり、地元のエコ農産物を市民の食卓に直接届けてきた。

 毎月決まって農村からやってくる出品者たちは、取れたての果物や野菜から無添加・無調整のごま油、蜂蜜、チリソース、漬物、ちまきなど、季節ごとに100種類以上の選択肢を都市住民に提供している。

 数年にわたる取り組みを通じて、市場に出店する生産農家は、第1期の20軒から今では60軒近くに増え、利用者の数も当初の数百人から数万人規模に膨らんだ。

 マーケットの発起人、周波(Zhou Bo)さんは、都市部のショッピングモールでの開催を毎月続ける一方、オンラインで生産者から消費者に農産物を直接販売する取り組みも始めた。通信アプリ微信(ウィーチャット、WeChat)のオンラインモールで、新農民と呼ばれる新時代の農業生産者たちを支援している。

 周さんは「マーケットへの出店は対面で交流できるメリットがあるものの、場所が限られる。オンラインでの取り組みを発展させることで、販路を広げ、多くの人にエコ農産物を理解し、受け入れてもらえれば」と語った。新農民については、従来のように外に出ずに買い取りにきてもらうのを待つだけの農家と異なり、新たな理念や方法によって農業をより良い形に発展させようとしている農業生産者を指すと説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News