【12月2日 AFP】仏パリ郊外の運河で先週末、2人組の「釣り師」が強力な磁石を使い、レンタル自転車51台などさまざまな物を釣り上げた。熟練の彼らにとっても、これだけの「大漁」は珍しいが、過去にはもっとレアな「お宝」が釣れたこともあるという。

 パリ近郊パビヨンスーボワ(Pavillon-sous-Bois)に住む学生のクレマン・シャレット(Clement Charret)さん(20)は、「マグネート」のあだ名で呼ばれる相棒のエンゾさんと2人で1年半ほど前から、パリの北郊と東郊の運河の底をさらってきた。主に清掃目的だが、楽しみでもあるという。

 1日、AFPの取材に応じたシャレットさんは、「最初の30分で20台の自転車を釣り上げた」と語った。

 今回川底をさらったのはパリ環状道路の外側、ジェントリフィケーション(再開発による地区の高級化)が急速に進む地区を流れるウルク(Ourcq)運河で、スクーターや交通標識も釣り上げた。

 見つかった自転車はパリ市当局のレンタル自転車事業「ベリブ(Velib)」のもので、最新式の15台はすぐに市職員が回収。泥や水草にまみれた残りの自転車は、最近オフィススペースに改修された元工場の脇に並べられた。

 2人によると、これだけ大量の自転車が釣れるのは珍しいが、過去にはもっとレアなものも釣れたという。これまで磁石で釣り上げた中でシャレットさんが気に入っているのは、「第1次世界大戦(World War I)時のバヨネット(銃剣)と、ナポレオン3世(Napoleon III)時代のリボルバー(回転式拳銃)」だという。

 昨年には第2次世界大戦(World War II)時の不発弾2発を釣り上げ、爆発物処理班が出動する事態となった。(c)AFP