【12月3日 CNS】中国甘粛省(Gansu)甘南チベット族自治州(Gannan Tibetan Autonomous Prefecture)夏河県(Xiahe)のラプラン寺の文化財保護プロジェクトが、8年の月日をかけて基本的に終了した。ラプラン寺はチベット仏教ゲルク派寺院で最高レベルの学問寺。300年の歴史の中でも最大規模の修復を終え、「世界のチベット学府」と称される寺院が輝きを増した。

 保護プロジェクトは3億500万元(約48億円)を投じ2012年9月から開始。寺院本体や絵画の修復からセキュリティー対策、消防態勢の強化まで幅広く行われた。壁画の修復は1709年創建以来、初めてとなる。寺院の弥勒(みろく)仏殿に入ると、天井には警備と消防システムが敷設され、壁画は仏教の経典の世界を鮮やかに再現している。

 夏河県文化体育広電観光局の索南嘉(Suo Nanjia)副局長は「ラプラン寺は観光名所でもあり、多くの仏教行事も執り行われている。修復工事の日程調整は難しく、寺院と建設関係者双方のニーズを考慮しながら進めました」と振り返る。16の仏殿のうち残る2つの修復と一部の絵画の修復は2021年4月から行われる。(c)CNS/JCM/AFPBB News