【12月3日 AFP】1980年代の大飢饉(ききん)の際に多くのエチオピア人を受け入れた、スーダン東部のウム・ラクバ(Um Raquba)難民キャンプに数千人が押し寄せている。エチオピア・ティグレ(Tigray)州の紛争を逃れた人々によって、この人里離れた場所に「町」ができ始めている。

「1か月前には、ただの砂漠だったところが、今や町になっている」とキャンプの責任者はAFPに語った。

 国境から約80キロのキャンプでは、間に合わせの小屋を設営する音が響くなか、子どもたちが急ごしらえの教室で授業を受けている。キャンプには、ほこりにまみれながらサッカーボールを蹴る若者や給水のために列をつくる人々の姿もある。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、11月上旬にエチオピア北部ティグレ州で衝突が発生して以来、4万4000人以上がスーダンに避難した。

 100万人以上が命を落とした1983~85年のエチオピア大飢饉の際、ウム・ラクバ難民キャンプは数多くの難民を受け入れた。キャンプは20年前に閉鎖されたが、ティグレ州での衝突を受けて11月に再開した。

 隣接するカッサラ(Kassala)州の中継施設から先週到着し、小屋の設置作業を行っていた20歳前後のある農家の夫婦は、「しばらくの間、私たちはここで暮らします。その後のことについては状況次第です」とAFPに語った。

 UNHCRによると難民キャンプには現在、およそ9700人が滞在している。(c)AFP/Abdelmoneim Abu Idris Ali