【12月1日 AFP】(更新)米大統領選で勝利を確実にしたジョー・バイデン(Joe Biden)氏は11月30日、人種・性別の壁を破る次期政権の経済チームを発表し、財務長官に連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン(Janet Yellen)前議長(74)を正式に指名した。

 上院で指名が承認されれば、イエレン氏は米国史上初の女性財務長官となる。バイデン氏はさらに、財務副長官と大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に初のアフリカ系米国人を指名。財務副長官は非営利組織オバマ財団(Obama Foundation)理事長を務めるナイジェリア出身のワリー・アデエモ(Wally Adeyemo)氏、CEA委員長にはプリンストン大学(Princeton University)公共・国際関係学部のセシリア・ラウズ(Cecilia Rouse)学部長を起用した。

 行政管理予算局(OMB)局長には、リベラル系シンクタンク、アメリカ進歩センター(Center for American Progress)のニーラ・タンデン(Neera Tanden)所長を指名した。承認されれば、同局初の南アジア系局長となる。

 CEA委員には副大統領時代のバイデン氏の顧問を務めたジャレド・バーンスタイン(Jared Bernstein)氏とワシントン公平成長センター(Washington Center for Equitable Growth)のヘザー・ブシェイ(Heather Boushey)所長を指名した。経済チームの多くは、バイデン氏が副大統領を務めたバラク・オバマ(Barack Obama)前政権の元高官だ。

 イエレン氏はツイッター(Twitter)で、「私たちは国として今、大きな課題に直面している。回復には、アメリカン・ドリームを取り戻さなければならない。一人一人が自分の潜在能力を発揮し、子どものためにさらに大きな夢を持てるようになる社会だ。私は財務長官として、すべての人がこの夢を再び築けるよう日々努力する」と表明した。

 米国は現在、新型コロナウイルスの大規模な流行の封じ込めに苦戦している。一時解雇を含め職を失った人の数は数千万人に上り、経済成長率は大幅に悪化。感染者数が再び増加する中で、議会では追加経済対策をめぐる議論が行き詰まっている。来年1月のバイデン大統領就任前に議会が合意に至らなければ、イエレン氏は議会のこう着状態打破に取り組むことになる。(c)AFP/Chris Stein