【11月30日 Xinhua News】世界中で第5世代移動通信システム(5G)技術が急速に発展する中、中国では5Gと実体経済との融合が加速し、産業を支える能力が向上し、エコシステムの形成が進んでいる。中国広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)で26日開幕した世界5G大会では、5G商用化に最も早く乗り出した国として、中国が5G分野の急先鋒(せんぽう)となりつつあることが明らかになった。

 中国科学技術部の相里斌(Xiang Libin)副部長は、世界中で5G技術の発展に弾みがついていると説明。特に新たに承認された5G標準規格の最新版「リリース16」(R16)は低遅延、高信頼、多数同時接続、低消費電力というニーズを満たしており、世界中の5Gの急速な規模拡張を促しているとの見方を示した。

 中国工業・情報化部の劉烈宏(Liu Liehong)副部長は「中国では5G技術と実体経済との深い融合が加速している」と述べ、具体例として次の三つを挙げた。

 第一に、5G単独で運用できるスタンドアローン(SA)方式の5G網の大規模な商用化がほぼ実現したこと。今年10月までに開通した5G基地局は70万カ所、接続端末数は1億8千万台を超えるほか、97%以上の5G基地局が共有されている。

 第二に、5Gによる産業を支える力が高まり、対応端末も豊富になっていること。中国では現時点で入網許可証(電気通信設備の使用許可証)を取得した端末が253機種、5G対応スマホが218機種を数える。

 第三に、5Gの融合・応用に関するエコシステムの形成が進んでいること。スマート製造、医療・ヘルスケア、エネルギー、農業などの産業が5G応用の活発な分野となっているほか、遠隔診療やテレワーク、遠隔教育などでの5G導入も応用シーンの多様化につながっており、融合・応用に関する巨大なエコシステムの形成が加速しつつある。(c)Xinhua News/AFPBB News