【12月2日 AFP】スイスが新型コロナウイルスの急激な感染拡大への対策に取り組む中、国民はチーズが溶けてしまいそうなほどホットな一つの疑問にとらわれている。チーズフォンデュを人と一緒に食べるのは、現在でもまだ安全と言えるのかという疑問だ。

 人々に愛されているスイスの郷土料理チーズフォンデュは、専用鍋「カクロン」の中で、白ワインとともにチーズをじか火で温めて作られる。

 長い柄のフォークを使ってパンを浸すのが伝統的な食べ方で、数人の友人や親族と一緒に同じ鍋をつつく。

 だが、このスイス料理を囲む和やかなだんらんを、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の最中でもまだ安全に楽しむことができるのだろうか。

 このホットな話題に、インターネット上では投稿が相次いでいる。人との距離を取るために、こんな提案もされている。「フォンデュは釣りざおを使って食べよう」

 わずかに現実味のある別の投稿は「客がそれぞれフォーク2本とナイフを持参すれば、問題は解決する。1本目のフォークはフォンデュに浸すのに、ナイフはパンを取り外すのに、2本目のフォークはそのパンを食べるのに、それぞれ用いる」と提案している。

 専門家らに助言を求めたメディアは、世界保健機関(WHO)の著名な感染予防専門家ディディエ・ピテ(Didier Pittet)氏からもコメントを取っている。「フォンデュに関連するリスク? もちろん、ありません」と同氏は述べている。

 スイスチーズの売り上げ拡大を目指す業界団体の「スイス・チーズ・マーケティング(Switzerland Cheese Marketing)」もまた、安全性を主張している。

 フォンデュの問題について綿密に調査した結果、「フォンデュ鍋を囲んでいる間に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかるリスクは無視できる程度」との結論に達したと主張している。