【11月30日 AFP】ニュージーランド北部沖のホワイト島(White Island、マオリ名:ファカアリ、Whakaari)で昨年発生した火山噴火で多数の観光客が死亡・負傷した問題で、同国の労働基準監督機関は、観光ツアー催行に関わった10団体と3人を刑事訴追した。テレビ・ニュージーランド(TVNZ)が30日に報じた。

 昨年12月に噴火が発生した際、島内にはオーストラリア人を中心とする観光客47人がいた。ニュージーランドの警察当局は今月、重度のやけどを負って療養していたドイツ人男性(64)が今年7月に死亡したことが確認され、死者は合わせて22人となったと発表している。

 労働基準監督機関ワークセーフ(WorkSafe)は、噴火発生の3週間前に噴火警戒レベルが引き上げられていたにもかかわらず、観光ツアーが催行されたのはなぜかを捜査していた。

 TVNZによると、来月15日に裁判が行われる見通し。企業・事業体には最高150万ニュージーランドドル(約1億950万円)、個人には最高30万ニュージーランドドル(約2200万円)の罰金が科される可能性があるという。

 ホワイト島の噴火をめぐっては、検視当局も、殺人罪など刑事責任を問うべきかを調べている。(c)AFP