【11月30日 AFP】米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)の人気ドラマシリーズ「ザ・クラウン(The Crown)」をめぐり、英王室のイメージを損なう恐れがあり、内容の大半はフィクションだと明示すべきだとの声が、英大臣から上がっている。

 オリバー・ダウデン(Oliver Dowden)デジタル・文化・メディア・スポーツ相は「ザ・クラウン」について素晴らしいフィクションだと断りながらも、ネットフリックスは冒頭でフィクションと明示すべきだと指摘した。

 ダウデン氏は「この時代に生まれていなかった視聴者は、これがなければフィクションを事実だと誤認する恐れがある」と述べた。ダウデン氏は、ネットフリックスに毎回警告文を入れるよう正式に依頼する予定だ。

「ザ・クラウン」は、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の人生をたどるドラマで、最新シリーズではチャールズ皇太子(Prince Charles)と故ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)の婚約時代が描かれている。

 王室に近い関係者は、フィクションとしてつくられたシーンが王室、特に王位継承者であるチャールズ皇太子のイメージを傷つけると恐れている。

 ダイアナ元妃の弟スペンサー伯爵(Earl Spencer)も、ネットフリックスにフィクションの明示を求めている。同伯爵は英ITVに対し、毎回冒頭に「このドラマはフィクションだが、いくつかシーンは実際の出来事に基づいている」と表示してほしいと述べている。(c)AFP