【11月29日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis、83)は28日、初のアフリカ系米国人を含む新たな枢機卿13人を叙任した。

 バチカンのサンピエトロ大聖堂(St Peter's Basilica)で叙任式が開かれ、フランシスコ教皇は新たな「教会の君子」一人一人の頭に緋(ひ)色のビレタ(聖職者用の角帽)をかぶせた。

 新枢機卿の出身地は、イタリア、マルタ、フィリピン、チリ、ブルネイ、メキシコ、米国など多様で、信者13億人を抱えるローマ・カトリック教会の顔ぶれが変化していることだけでなく、聖職者に対するフランシスコ教皇の考えが世界の貧困に重点を置いていることが反映されている。

 米ワシントンのウィルトン・グレゴリー(Wilton Gregory)大司教(72)は27日、アフリカ系米国人として初の枢機卿になるのは「象徴的」なことだとAFPに述べた。

 初の中南米出身のフランシスコ教皇は2013年の就任以降、枢機卿会議として知られる儀式で95人の新枢機卿を叙任。現在、同教皇に任命された枢機卿は、教皇選出会議「コンクラーベ」で投票権を持つ80歳未満の枢機卿のうち大多数を占めている。

 これにより、ローマ・カトリック教会をより包括的で透明性の高いものにし、社会的弱者の救済を一層重視するというフランシスコ教皇の取り組みが、その死後も継続される可能性が高まっている。(c)AFP/Catherine MARCIANO / Alexandria SAGE