【11月30日 Xinhua News】中国科学院東南アジア生物多様性研究センターは、同センターの研究者らがミャンマー・カチン州産の琥珀(こはく)の中から新種のクモ2種を発見し、これに基づき二つの科が新たにできたと発表した。研究成果は学術誌「Zoological Systematics」に掲載された。

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 白亜紀は陸上生態系の進化にとって重要な地質学的時期で、クモの進化にとっても重要な段階に当たる。ミャンマー・カチン産の琥珀には、多種多様なクモの個体群など、状態の良い白亜紀後期の無脊椎動物が多数保存されている。これまでに44科250種のクモが確認されており、うち26科が既に絶滅し、18科が現存している。

 中国科学院動物研究所、同東南アジア生物多様性研究センターなどの研究者は2017~19年に、市場調査や野外採集などで琥珀の標本を収集し、比較研究を行った。その結果、琥珀の中から「鋸氈蛛」と「扁巨蛛」という新種のクモ2種を発見。これらに基づき「氈蛛科」と「巨蛛科」という二つの科が新たに立てられた。

 論文の筆頭著者で中国科学院動物学研究所博士課程に在籍する姜統尭(Jiang Tongyao)氏によると、鋸氈蛛は「篩板(しばん)」と呼ばれる出糸器官を持つ中型のクモで、扁巨蛛は過去にカチンの琥珀から発見された中で最も大きなクモになる。大型のクモは樹脂から脱出しやすいため、カチンの琥珀でこの大きさのクモが見つかることは非常に珍しいという。(c)Xinhua News/AFPBB News