【11月28日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の死亡当時の状況について、アルゼンチン検察が医療過失の可能性があったかどうか捜査していることが司法筋によって27日に明らかになった。同氏の親戚筋はAFPの取材に対し、「すでに不審な点がある」と話している。

 これに先立ち、マラドーナ氏の代理人を務めるマティアス・モルラ(Matias Morla)氏は、死亡当日の状況に関して、通報を受けた救急車がマラドーナ氏の家に到着するのに30分以上もかかっていたことから捜査を要求していた。

 予備の検視では、マラドーナ氏は「急性肺水腫と慢性心臓疾患」により、25日の正午(日本時間26日午前0時)に眠ったまま亡くなったと結論づけられた。司法筋は匿名を条件に、「彼(マラドーナ氏)は自宅で死亡し、死亡診断書には誰もサインしていなかったため、捜査が開始された。それは何か疑問点や不審点があったというわけではない」と明かした。

 60歳だったマラドーナ氏は今月上旬に脳血腫の除去手術を受け、ブエノスアイレス北部ティグレ(Tigre)にあるゲーティッド・コミュニティー(門やフェンスで囲われた居住区)内の住居で療養しながら、24時間態勢の看護を受けていた。

 親戚筋は「ディエゴが亡くなった日に検察が来て、女性看護師が供述を行った。供述が続けられた後、最終的に彼女は話の内容は強要されたとテレビで語っている。だから、供述にはいくつか矛盾点がある」と述べている。

 この日検察が発表したコメント文によると、25日早朝にマラドーナ氏が生きている姿を最後に確認したのは別の男性看護師で、夜のシフトを終える際の話として、「彼の供述からすれば、午前6時半頃に(マラドーナ氏が)生きている姿を最後に見たのは彼の可能性が高いと結論づけられる」という。

 この看護師は26日に受けた検察の聴取で、「彼(マラドーナ氏)がベッドに横たわっている姿を見たとき、眠っていて正常に呼吸していたのを確認した」と供述したとされている。(c)AFP