【11月28日 AFP】(更新)イラン政府は、同国軍の研究・革新機関を率いていた著名核科学者のモフセン・ファフリザデ(Mohsen Fakhrizadeh)氏(59)が27日、首都テヘラン郊外で武装集団の襲撃を受けて暗殺されたと発表した。イランは敵対関係にあるイスラエルの関与を主張し、「厳しい報復」を宣言した。

 ファフリザデ氏は、テヘラン州東部ダマバンド(Damavand)郡アブサード(Absard)周辺を車で移動していた際に襲撃を受けた。イラン国防軍需省によると、武装集団が車を襲い、護衛隊との銃撃戦に発展。同氏は重傷を負い、医療チームが救命を試みたものの、後に「殉職した」という。

 ファフリザデ氏は2008年、米国から「イランの核開発に貢献した活動や取引に関与」したとして制裁を科されており、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相からはイラン核兵器プログラムの父と評されたこともある。

 イラン国営テレビは、イスラエルが同氏に対し「長年深い敵意を持っていた」と報道。イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はツイッター(Twitter)に「きょう、テロリストがイランの著名な科学者を殺害した。この卑劣な行為にはイスラエルの関与を示す重大な兆候があり、犯行グループの必死な戦争挑発行為を示している」と指摘。国際社会に対し「恥ずべき二重基準をやめ、この国家テロ行為を非難する」よう呼び掛けた。

 イラン軍のモハマド・バゲリ(Mohammad Bagheri)参謀総長は、ファフリザデ氏の死は「国の防衛体制にとってつらく大きな痛手」であるとし、関与した者には「厳しい報復」措置を取ると警告した。(c)AFP/Amir Havasi