台湾議会で豚の内臓飛び交う、米国産豚肉の輸入解禁に野党反発
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【11月27日 AFP】台湾の立法院(議会)で27日、政府が米国産豚肉の輸入規制緩和を決定したことを受け、野党議員らが議場で豚の内臓などを投げ付けて抗議した。
時に荒れることで知られる台湾議会では、対立する議員同士で激しい衝突が頻繁に繰り広げられるが、この日はとりわけ奇抜な戦術が用いられた。
野党・国民党(KMT)の議員らは、バケツ何杯分もの豚の内臓を議場にばらまき、さらにその腸や心臓、肝臓などを与党議員らに向かって投げ付けた。
台湾政府は先に、添加物のラクトパミンが入った餌で飼育された米国産の豚肉の輸入を来年1月1日に解禁すると発表。ラクトパミンは赤身を増すための添加物で、欧州連合(EU)や中国などでは使用が禁止されている。
米政府関係者らは、米国と台湾が貿易協定の締結を目指す上で、米国産の豚肉と牛肉の輸入制限が大きな障害となっていると明言。
台湾議会で多数派を占める蔡英文(Tsai Ing-wen)総統率いる与党・民主進歩党(DPP)は、この輸入規制を緩和することによって、米台の合意締結に向け地ならしをしたい考え。
しかし台湾では多くの国民が米国産豚肉の輸入に反対しており、一連の選挙で敗北続きの野党がこの問題を捉えて攻勢に生かそうとしている。(c)AFP