【11月27日 AFP】陸上男子100メートルの現世界王者クリスチャン・コールマン(Christian Coleman、米国)が26日、同競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」から科された2年間の出場停止処分について、ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)に異議を申し立てた。

 昨年の第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)で100メートルを制し、今季は同種目の世界最速タイム9秒76を記録しているコールマンは、「居場所情報の書類を提出せずに検査を受けなかったADRV(反ドーピング規則違反)」により、10月にAIUから2年間の出場停止処分を受けたが、この決定を「退けて処分を無効にするか、代替案として期間を短縮する」ことを求めた。

 コールマンは6月に「居場所情報の提出を怠った」3回目の違反を取られ、暫定資格停止処分となっていた。このまま処分が維持されれば、同種目の優勝候補として臨む来年の東京五輪には出場できなくなる。

 一方、世界陸連はこの日、400メートルの世界女王であるバーレーンのサルワ・イード・ナセル(Salwa Eid Naser)がADRVの処分を撤回されたことについて、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。

 ナセルが居場所を知らせずに検査を受けなかったことについて、AIUは10月に違反はなかったと結論づけていた。世界陸連はCASに対し、AIUの裁定を「無効にし、代わりに新たな決定として、サルワ・イード・ナセルのADRVを認定して2年間の資格停止処分にする」ように求めた。

 同選手は当初、居場所情報に関する規則違反で6月に暫定出場停止処分を受けていたが、その後処分は撤回されていた。(c)AFP