【11月27日 AFP】サッカーアルゼンチン代表指揮官として1986年W杯メキシコ大会(1986 World Cup)で母国を優勝に導き、現在は病床に伏しているカルロス・ビラルド(Carlos Bilardo)氏は、動揺させたくないという家族からの要望で、26日時点でディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の訃報を知らされていないことが明らかになった。

 ビラルド氏の兄弟であるホルヘ(Jorge Bilard)さんはこの日、1986年W杯の象徴的存在であるマラドーナ氏が心臓発作により60歳で死去したことについて、二人が「父と息子」のような関係であったことから、「ディエゴが死んだと彼に告げることはできない」と地元ラジオ局に語った。

 現在82歳で神経疾患を患っているビラルド氏は、これまでのインタビューでディエゴは「(自身は授からなかった)息子だ」と繰り返していた。

 ホルヘさんはまた、ブエノスアイレスのアパートに住んでいるビラルド氏が介護士からテレビを見ることを禁じられていると明かし、「介護士はこうなったとき、テレビを消しておかなければならないことを承知していた」「彼女はテレビのケーブルが切れたと説明してそのようにした」と述べた。

 ビラルド氏はアルゼンチン代表を2度W杯に導き、1986年大会にタイトルを獲得。マラドーナ氏がまだ全盛期のプレーメーカーだった4年後の1990年大会では、決勝で惜しくも西ドイツ(当時)に敗れた。(c)AFP