【11月27日 AFP】英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)のパスカル・ソリオ(Pascal Soriot)最高経営責任者(CEO)は26日、同社と英オックスフォード大学(University of Oxford)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、有効性をめぐる疑念が生じたことから追加の試験が必要であるとの考えを示した。ただ、欧州規制当局からの承認には影響は出ない見通しだという。

 アストラゼネカとオックスフォード大は23日、ワクチンが治験で平均70%の有効性を示したと発表し、規制当局の承認を求める意向を表明。このワクチンは安価で製造でき、保存と輸送も容易なことから大きな期待を集め、同大で治験を主導するアンドルー・ポラード(Andrew Pollard)氏は「世界のためのワクチン」と称している。

 ワクチンの有効性は、初回に通常の半量、2回目に全量を投与した場合に90%に上昇した。この有効性は、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンや、米製薬大手モデルナ(Moderna)のワクチンに匹敵する水準。しかしこの有効性上昇について米科学者らは、55歳未満を対象とした治験で確認されたもので、試験中に偶然見つかった点を指摘していた。

 アストラゼネカのソリオCEOはブルームバーグ(Bloomberg)に対し、「有効性を向上させるとみられる方法が見つかったので、これを検証しなければならない。そのため追加の試験を行う必要がある」と言明。「国際的試験になるが、有効性が高いことはわかっており、必要な数の患者は少なくなるため、今回はより迅速に実施できる可能性がある」と述べた。(c)AFP