【11月26日 AFP】(更新)フランスで先月、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を学校の授業で見せた歴史教師サミュエル・パティ(Samuel Paty)さんが斬首されて死亡した事件で、中学生4人の予審開始が決まったと、司法筋が26日、AFPに明らかにした。うち3人には、実行犯がパティさんを特定する手助けをした容疑が持たれている。

 パティさんは、言論の自由を教える授業でムハンマドの風刺画を見せていた。事件をめぐっては今月、共犯容疑で別の中学生3人の予審開始も決まっている。

 新たに予審開始が決まった4人のうち3人は、実行犯のアブドゥラフ・アンゾロフ(Abdullakh Anzorov)容疑者(18)がパティさんを特定するのに協力した疑いが持たれている。アンゾロフ容疑者はパティさんを特定した後に尾行し、勤め先の学校近くの路上でパティさんの首を切断した。

 3人はいずれも13、14歳で、司法筋者によると「テロリストによる殺人に共謀」した容疑で予審対象になるという。

 残る1人は、風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)が掲載したムハンマドの風刺画をパティさんが授業で使用したことを激しく非難するオンライン運動を立ち上げた人物の娘で、実際にはパティさんの授業に出席していなかったにもかかわらず、教室での出来事について私見を吹聴したとして、パティさんに対する「虚偽告訴」の疑いが持たれている。

 パティさんの死は激しい怒りを招き、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領はイスラム過激主義と暴力の摘発強化に乗り出した。フランスでは2015年以降、イスラム過激派による攻撃で250人以上が殺害されている。(c)AFP