【11月26日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏が25日、心臓発作のため60歳で死去したことを受け、同氏が現役時代に活躍したイタリア南部ナポリ(Naples)の街が別れを告げた。

 マラドーナ氏は1987年と1990年にイタリア・セリエAのナポリ(SSC Napoli)にリーグタイトルをもたらした。ナポリの優勝は今もこの2回だけで、マラドーナ氏は街の人の心をつかみ、愛された。

 この日、ナポリにあるスペイン地区(Spanish Quarter)の通りには数百人のファンが押し寄せ、クラブの水色のユニホームを着たマラドーナ氏の壁画の下で多くの人がろうそくをともした。壁には「チャオ、サッカーの神よ」と書かれた紙が張られ、ファンは花や手紙を手向けた。

 ナポリの本拠地サン・パオロ・スタジアム(San Paolo Stadium)では、哀悼の意を表して全ての照明がつけられ、新型コロナウイルスによる外出禁止で静まる街に灯台のように輝いた。

 ナポリは、チームのユニホームを身にまとったマラドーナ氏の写真をツイッター(Twitter)に投稿し、「いつまでも私たちの心の中に。チャオ、ディエゴ」「世界は私たちの言葉を待っているが、この痛みを表現する言葉はない。今は悼む時だ」とつづった。

 マラドーナ氏は1984年から1991年にナポリでプレー。2度のリーグ制覇の他に1989年にはチーム唯一の欧州タイトルであるUEFAカップ(UEFA Cup)、1987年にはイタリア杯(Italian Cup)、1990年にはイタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup)の優勝に貢献し、当時は強豪ではなかったクラブを変身させた。

 マラドーナ氏はナポリで通算115ゴールを記録し、3年前まではクラブの歴代最多得点者だった。(c)AFP