【11月26日 AFP】中国は、台湾の大学教授にスパイ罪で懲役4年を言い渡したと、当局者らが25日、明らかにした。中台間の緊張がさらに高まる中での判決となった。

 国立台湾師範大学(National Taiwan Normal University)の元教授で、中国複合企業の華夏集団(Huaxia Group)の元チーフエコノミストだった施正屏(Shih Cheng-ping)氏は先月、中国国営の中国中央テレビ(CCTV)で自身の罪を「自白」していた。

 施元教授に対しては前日24日に、中国の裁判所が有罪との判断を示していた。台湾政策を担う中国の国務院台湾事務弁公室が記者会見で明らかにした。

 2018年8月に中国本土に渡って以来、行方が分からなくなっていた施元教授は先月、他の台湾出身者数人と共にCCTVの番組に出演し、中国本土でスパイ活動を行っていたと自白していた。

 CCTVは、出廷さえしていない容疑者らが罪を自白する様子を頻繁に放映している。これについては弁護士や人権団体が以前から、自白の強要に当たると批判している。

 施元教授はインタビューの中で、中国本土のシンクタンクから得た情報を、金銭と引き換えに台湾当局に流したと話し、自身の経験が台湾の他の人々に向けた「警告」となるよう願っていると述べた。

 台湾の対中政策をつかさどる行政院大陸委員会(MAC)は、スパイ罪は「でっちあげ」だとして、施元教授に対する判決を非難。

 同委は、「中台間の正規の学術交流に意図的に汚名を着せ、台湾の人々を威圧することを目的とした中国側の卑劣な行動は、双方の関係を著しく害してきており、強い不満を表明する」と発表した。(c)AFP