■支持者らと交流する国王

 今回のデモ以前は、マハ・ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王が公の場に姿を見せることはあまりなかった。だが、最近は人前に頻繁に姿を見せるようになり、支持者らと交流し、タイ国民への「愛」を宣言している。

 それでも、現国王が議論を呼ぶ存在であることに変わりはない。在位70年に及んだ父親のプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)前国王のような絶大な人気を得るには至っておらず、王室の財産や軍の一部を直接自身のコントロール下に置くことで権力を強化しようとしている。

 ワチラロンコン国王が、頻繁にドイツに滞在していることも問題となっている。さらに新型コロナウイルスの流行下で、国民のことを十分気にかけていないとの批判も上がっている。

■暴力的な結末に至るのか?

 1970年代に2回、そして1992年と2010年に発生したタイのデモは、どれも流血の事態に終わった。このため専門家らは今回も同様の事態になることを懸念している。

 チャンバース氏は「極右王室支持派団体」がすでに民主派のデモ参加者に嫌がらせをしていると指摘している。(c)AFP/Sophie DEVILLER