【11月24日 AFP】国連(UN)の専門機関、世界気象機関(WMO)は23日、新型コロナウイルス対策として世界各地でロックダウン(都市封鎖)などが実施されているにもかかわらず、気候変動の主要因である温室効果ガスの大気中濃度は今年も増加傾向にあると指摘した。

 WMOの「温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)」によると、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は2018年から19年にかけて407.8 ppmから410 ppmに上昇し、観測史上最高を記録したが、今年も上昇傾向にある。

 WMOによると当初、ロックダウンのピーク時には世界全体で1日のCO2排出量が17%減少し、通年では4.2~7.5%の減少となると予測されていた。

 だが、実際には大気中のCO2濃度は下がらず、ロックダウンによるCO2濃度への影響は「通常の年の変動を上回るものではない」とWMOは警告している。

 WMOによるとCO2濃度の上昇ペースはやや緩やかにはなるが、その減少幅は自然な年間変動幅を大きく下回るため、CO2濃度の上昇傾向は変わらないという。 (c)AFP/Nina LARSON