【11月24日 AFP】英政府は23日、サッカーをはじめラグビーや競馬などのスポーツイベントに関して、新型コロナウイルスのリスクが低いイングランド地域の野外スタジアムにおいては、来月からごく限られた人数の観客を認めると発表した。サッカーのプレミアリーグは、3月後では初めて観客を迎えられることになる今回の決定を歓迎している。

 現在イングランドでは前回よりも厳しい2度目のロックダウン(都市封鎖)が行われているが、12月2日に同措置が解除され次第、感染リスクが最も低い警戒レベル「ティア1」に指定されている地域のスタジアムでは、観客数の上限が最大4000人もしくは収容人数の半分のうち少ない方の数字に設定されることになった。

 警戒レベルが2番目の「ティア2」では最大2000人もしくは収容人数の半分、そしてリスクが最も高い「ティア3」では今後も観客を入れることが認められない。政府は1週間ごとの最新の感染状況を踏まえた上で、各地域がどの警戒レベルに相当するのか26日に発表するという。

 現在のロックダウンが行われる以前、イングランドではロンドンをはじめ大半の地域がティア2に指定されていた。しかし、プレミアリーグに所属するリバプール(Liverpool FC)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、マンチェスター・シティ(Manchester City)の三つのビッグクラブは本拠地がティア3の都市にあるため、12月2日以降に観客の動員を許可されるかは不明となっている。

 政府は相手チームのファンが公共交通機関で不要に移動するのを避けるため、スタジアムに入れるのはホームのファンのみとしている。プレミアリーグの責任者はこのニュースを歓迎する一方で、もっと大勢の観客が戻って来られなければ、サッカー界の経済的危機を緩和することはできないとするコメント文を発表した。

「ファンはプレミアリーグの試合を現地で観戦することをとても恋しがっており、少人数を条件に3月以来となるサポーターの入場を認める本日の首相の発表を歓迎する」「われわれの強い要望は、政府と連携して観客数をもっと多くのレベルに増やしていくことに変わりない。これが実現するまで大勢のファンが観戦できず、われわれのクラブも赤字のまま試合を続けることになる」

 室内イベントの上限については、ティア1とティア2の地域が最大1000人に設定される見通し。今月5日から再びロックダウンに入っている中で、子どもたちが学校の外でサッカーをすることが再び許可されるなど、今回の決定は市民スポーツにとっても良いニュースとなった。(c)AFP