【11月23日 AFP】(更新)イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が22日、サウジアラビアを訪問し、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)と秘密会談に臨んだと、イスラエルメディアが報じた。サウジ政府は会談の事実を否定している。

 イスラエル首相によるサウジ訪問は前例がない。イスラエル公共放送KANの国際部記者が23日に伝えたところによると、先週同国を訪問していた米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官も、この会談に同席したという。

 KANはイスラエル政府関係者らの話として、ネタニヤフ首相と対外情報機関モサド(Mossad)のヨッシ・コーヘン(Yossi Cohen)長官が「きのう(22日)空路でサウジアラビア入りし、ネオム(Neom)でポンペオ氏とムハンマド皇太子と面会した」としている。

 他の複数のイスラエルメディアも同日朝、同様の内容を報道。匿名でAFPの取材に応じたイスラエル政府関係者もAFPに対し、報道内容は事実と認めた。

 サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン(Faisal bin Farhan)外相はツイッター(Twitter)への投稿で、「そのような会談はなかった。その場にいたのは米国とサウジの当局者のみだった」として報道を否定。一方、イスラエルの与党リクード(Likud)の公開会合でサウジ訪問について質問を受けたネタニヤフ首相はコメントを拒否した。

 イスラエルは8月以降、サウジアラビアの同盟国であるアラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンとの国交正常化に合意。ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が仲介した。

 米国とイスラエルの関係者らは、さらに多くのアラブ諸国がイスラエルと国交を結ぶ方針だとの見方を繰り返し示している。

 アラブ連盟(Arab League)は数十年にわたって、イスラエル・パレスチナ問題が解決されるまではイスラエルと国交を結ばないとする立場を維持しており、サウジアラビアもこれにならうと公言してきていた。(c)AFP