【11月22日 AFP】中米グアテマラの首都グアテマラ市で21日、アレハンドロ・ジャマテイ(Alejandro Giammattei)大統領(64)の辞任を求める抗議デモが行われ、国会議事堂の建物一部がデモ隊によって燃やされた。貧困にあえぐ同国では、今週議会を通過した予算案に怒りの声が殺到している。

 議事堂からそれほど遠くない国家文化宮殿(National Palace of Culture)前でも、ジャマテイ氏の辞任を求める平和的なデモが行われた。

 グアテマラでは、新予算案や新型コロナウイルス対策の財源不足をめぐり、ジャマテイ政権と議会への不満や憤りが広がっている。

 保守派の親政権派政党が多数を占める議会では今週、同国史上最高額となる約130億ドル(約1兆3500億円)の予算案が可決された。この予算の大部分が大企業関係のインフラ事業に充てられる方針で、貧困がまん延し5歳未満の子どもの半数が栄養失調に苦しむ同国では怒りの声が巻き起こっている。

 今年1月に政権の座に就いた医師のジャマテイ氏は、汚職を一掃し組織犯罪と闘うことを明言。しかし同政権は、国内の病院不足といった新型コロナウイルスの政府対応をめぐる論争で持ちきりとなっている。(c)AFP