【11月22日 AFP】2020-21アルペンスキーW杯は21日、フィンランド・レビ(Levi)で女子回転第1戦が行われ、「悲しく、ストレスのたまる」10か月の休養から復帰したミカエラ・シフリン(Mikaela Shiffrin、米国)が2位に入った。

 シフリンは3連続総合優勝を飾って迎えた昨季、4連覇を狙える状況にあった2月に父親の突然の死を経験し、シーズンを突如離脱。今季も背中の問題で開幕戦の大回転第1戦を欠場していた。

 そうした中で、シフリンは1本目を終えてペトラ・ブルホバ(Petra Vlhova、スロバキア)と0.15秒差の2番手につけたが、2本目でも昨季この種目の年間優勝を飾ったブルホバを上回れず、最後は0.18秒差の2位となった。一方のブルホバはW杯通算15勝目となった。

 シフリンは、父親のジェフ(Jeff Shiffrin)さんがこの世を去ってからの10か月は暗黒の時期だったと打ち明け、「いろいろなことがあった後で、こうしてレースを滑って表彰台を獲得できただけで本当に気持ち良い」「慌ただしく、悲しく、ストレスのたまる時期で、練習はあまりできなかった。だから、またここへ来てレースをして、表彰台へ上がれるとはほとんど想像していなかった」とコメントした。

 この数か月は、自分がスキーを続け、人生を「前に進めたい」のかどうか「答えを出す」日々だったという。

「本当に大きな悲劇を乗り越えた後には、自分の優先順位が変わって、人生のいろいろなことが前よりも輝いて見えるという」「家族と過ごす時間なんかをもっと楽しめるようになる。きょうも2位という順位を以前よりも楽しんでいる。それはしっかり攻めて、良いスキーを滑り、きょう出せるベストを尽くしたから」「以前よりも自分を誇りに思う」

 3位にはカタリナ・リンスベルガー(Katharina Liensberger、オーストリア)が0.57秒差で入った。これにウェンディー・ホルドナー(Wendy Holdener)とミシェル・ギザン(Michelle Gisin)のスイス勢が4位と5位で続いた。(c)AFP